タスク管理のアプリに、たくさんのタスクを登録した。それなのに、結局先送りになってしまう。もっとよいアプリがあるはずだと、道具探しを始めてしまう。そんな経験はないでしょうか。
私がたどり着いた答えは、道具ではなく、タスクの名前にありました。道具は、自分が使っていて気持ちのよいものを選べば十分です。大切なのは、名前の付け方です。
先送りされる名前
「◯◯の資料を作る」「◯◯の件を進める」。この名前を見て、すぐに手が動くでしょうか。資料はどこにあるのか。どこまで進んでいたのか。どこから始めればよいのか。あとどれくらいかかるのか。
見た瞬間に考える時間が必要な名前は、先送りの候補になります。慣れていない仕事ほど、そうなりがちです。
考えずに手が動くまで分ける
コツは、名前を見た瞬間に、考えなくても動ける大きさまで分けることです。私は、目安を三つ持っています。考えなくても手が動くこと。ほかの人が見ても実行できること。一つが五分から十五分ほどで終わること。
名前は、説明するような文で、長くてかまいません。かっこよい短い名前より、見れば動ける名前のほうが、ずっと役に立ちます。
たとえば「提出書類を作る」には、いくつもの小さなタスクが隠れています。参考の資料を、決まった棚から出す。資料を一度通して読む。もう一度、必要なところを読み込む。提出する書類を三枚そろえて、ファイルに入れる。前回提出した書類を探して印刷する。前回のものを見ながら、一枚目を書く。こうして並べると、どれも考えずに始められます。
チームでは、誰が見ても動ける名前に
これは、医療のチームでこそ生きると感じています。一人の頭の中にある段取りは、その人が休めば止まってしまいます。誰が見ても同じように動ける名前で書いておけば、仕事は人から人へ、途切れずに渡っていきます。
人を増やして一から教える前に、迷わない名前と手順を先に用意しておく。そうすれば、教える時間も、迷う時間も減り、その分を患者さんやご家族と向き合う時間に戻せます。
慣れないうちは、繰り返す仕事も含めて、全部登録してしまうのがおすすめです。その時が来たら、そこに書かれた小さな一歩をやるだけ。考える作業は、名前を付けるときに済ませておくのです。続けていくと、自分たちにちょうどよい粒度が、だんだん見えてきます。
関連して、院長の今日は、三つに絞るも書いています。
この考え方を自院でも取り入れてみたい医療機関の方は、「医療機関の方へ」のページからご連絡ください。
文:小森広嗣(小児外科専門医)
