いくつものプロジェクトを同時に進めていると、気づけば取り残されているものが出てきます。私も経営者として、たくさんのプロジェクトを抱えてきました。止まってしまう原因を一つずつ仕組みで埋めてきたことで、波があっても、落ち着いて淡々と進められるようになりました。
止まる理由は、大きく三つありました。
一覧が見えていない
手帳の中、机の上の書類、メール、家と職場。プロジェクトがあちこちに散らばっていると、その場に行かなければ思い出せません。いわば、頭の中で管理しようとしている状態です。何をいくつ抱えているのか分からないので、実際以上にたくさん抱えている気がして、落ち着かなくなります。
そこで、すべてのプロジェクトを一つの一覧にまとめ、毎日目にするようにしました。朝と夜に数分ずつ眺めて、足すものを足す。それ自体を、毎日繰り返すタスクにしています。これだけで、頭がずいぶん軽くなりました。
資料にすぐ届かない
さあ取りかかろう、と思ったときに、資料がどこにあるか分からない。机のどこか、メールのどこか、パソコンのどのフォルダか。探す手間を感じた瞬間に、人は先送りをしてしまうものです。
だから、一覧のそれぞれのプロジェクトに、資料の置き場所へのリンクを付けておきます。一つ開けば、必要なものに数十秒で届く。小さな近道でも、毎日積み重なると大きな違いになります。
進み具合が分からない
あるプロジェクトに力を入れている間、ほかのものは止まります。それ自体は問題ありません。ただ、記憶だけに頼っていると、止まっていたものは「どこまでやったか」が薄れ、手をつけるのが億劫になり、そのまま消えてしまうことがあります。
そこで、プロジェクトごとに一枚の記録をつけています。何をしたか、どこまで進んだか、残りは何か。カルテを書くような感覚です。この記録を確かめる時間も、毎日のタスクに入れておきます。記録を見れば、しばらく離れていても、すぐに戻ってこられます。
やる気より、仕組みで進める
やる気も大切ですが、それだけに頼ると、忙しい時期には必ず止まります。医療のチームでは、なおさらです。一覧を見えるようにし、資料にすぐ届くようにし、進み具合を書き残す。そうしておけば、担当が替わっても、休みの人がいても、仕事は止まりません。
人を増やして抱えてもらう前に、誰が見ても続きができる仕組みを先につくる。そうすれば、私たちは本当に考えるべきことに、時間と心を使えます。道具は、これと決めたら一度使い込み、毎日少しずつ直していく。それで十分に洗練されていきます。
関連して、頭の中を、外に出しておく ── たくさんの仕事を抱えても、目の前に集中するためにも書いています。
この考え方を自院でも取り入れてみたい医療機関の方は、「医療機関の方へ」のページからご連絡ください。
文:小森広嗣(小児外科専門医)
