初心は、仕組みで守る ── 忘れることを前提にした習慣のつくり方

  • ブックマーク

どんなに大切なことでも、時が経つと、人はつい忘れてしまいます。素晴らしい話を聞いて「これを続けよう」と決めても、忙しさの中で、その思いは少しずつ薄れていきます。

それは、意志が弱いからではありません。人は、学んだ直後から急速に忘れていく生き物です。だから大切なのは、忘れた自分を責めることではなく、定期的に思い出す仕組みをつくることです。

初心に立ち返る時間を、先に決めておく

私たちのチームでは、理念や目標、自分たちの在り方を振り返る時間を、あらかじめ予定に入れています。特別な道具は要りません。「最初の気持ち」を思い出す時間を、定期的につくる。それだけです。

思い出すタイミングを、仕組みにする

忘れる前に、もう一度触れる。学んだ翌日、1週間後、1か月後。このくらいの間隔で振り返ると、大切なことが少しずつ自分のものになっていきます。

この振り返りを、個人の頑張りに任せず、チームの予定として組み込んでおく。そうすれば、忙しい時期でも途切れません。

大切にしている姿勢

主体的に動く。小児医療を支える使命を忘れない。感謝と素直さを持つ。準備と確認を怠らない。5分前に動く。報告・連絡・相談を大切にする。

こうした姿勢を意識できている日は、チームの空気が良くなります。それでも、時間が経つと「今日はこれくらいで」と流されそうになることがあります。そんなときに助けてくれるのが、仕組みです。

仕組みがあるから、在り方を手放さずにすむ

人を増やして何度も教え直す前に、思い出せる仕組みを先につくっておく。便利な道具は、その助けになります。そして、仕組みがあるからこそ、人は在り方という本質を手放さずにいられます。

「今日という日は、二度と来ない」。一日一日を大切にするために、初心を思い出す仕組みを、チームで持ち続けたいと思います。

関連して、理念を、明日の行動に落とし込む ── 頑張りが伝わらないときにも書いています。

この考え方を自院でも取り入れてみたい医療機関の方は、「医療機関の方へ」のページからご連絡ください。

文:小森広嗣(小児外科専門医)

  • ブックマーク

この記事を書いた人

小森広嗣

小森広嗣

小児外科専門医・医学博士。子どものお腹と栄養を、構造と機能の両方から診ている臨床医です。説明を診察室の外にも出し、少人数のチームでも毎日回る仕組みづくりに取り組んでいます。